日本人配偶者の方へ

アメリカ人の配偶者の方へ

ご本人が日本国籍であっても、配偶者が米国市民・グリーンカード保持者であるというだけで、ご自身の口座や資産が米国側の手続に関係してくる場面があります。よくご相談をいただく三つを整理しました。


1. ご自身に米国の申告義務が生じる場合があります

米国の申告は国籍と在留資格を基準にします。日本国籍のみの方に自動的に義務が生じるわけではありませんが、共有口座や、後述の選択をした場合、また過去にグリーンカードを保持していた場合などは、確認が必要です。

とくに注意が必要なのは共有名義の口座です。配偶者に署名権限がある口座は、名義がご自身であっても米国側の口座報告(FBAR)の対象になりうます。


2. 別々に申告するか、一緒に申告するか

アメリカ人の配偶者が日本国籍の場合、米国の申告は通常、夫婦別々の申告(Married Filing Separately)になります。一方で、内国歳入法 6013(g) の選択をすれば、日本国籍の配偶者を米国居住者として扱い、夫婦合算で申告することもできます。

合算にすると控除額が大きくなる反面、ご自身の日本での所得と口座もすべて米国側の申告対象に入ります。しかもこの選択は、一度取り下げると同じ選択を将来再び行うことができません。目先の有利・不利だけで決められない項目です。


3. 相続・贈与は日米で構造が逆になっています

日本の相続税・贈与税は受け取った側にかかりますが、米国は渡した側にかかります。この違いが、日米の夫婦間では特に影響します。

  • 配偶者が米国市民でない場合、米国側の無制限の配偶者控除は適用されません。QDOT(適格国内信託)で対応するのが一般的です。
  • ご家族からの贈与や相続を受け取った場合、米国側では所得として課税されない一方で、Form 3520 による報告が必要になることがあります。報告遅れのペナルティーは月あたり最大 5% です。
  • 米国に所在する資産については、米国市民でも居住者でもない方の控除額は $60,000 にとどまります。1954年の日米相続税条約によって結論が変わる場合があります。

まずは現状の確認から

どこから手をつければよいか分からない段階で構いません。ご家庭の状況をうかがった上で、必要な手続と費用を書面でお示しします。